アガリクス茸Q&A

Q.水溶性アガリクス 最近、従来のアガリクス茸の何倍も効くという水溶性アガリクスというものが販売されているようです。書籍なども出版されていますが本当でしょうか?

A. 従来のアガリクス製品は子実体(キノコそのもの)から製品化したもので、水溶性アガリクスは菌糸体から抽出したものです。菌糸体とはキノコになる前のカビのような白いフワフワしたものです。アガリクス茸の成分で特に抗腫瘍効果がある成分は多糖体ということは知られています。水溶性アガリクスの場合タンク内で菌糸と糖質を撹拌して大量培養し濃縮する為、広い意味での多糖体(繊維質なども分析上は多糖体に分類される)ということで考えれば確かに何倍にも何十倍にもなりますが、今までの動物実験で言われているのは多糖体の中で特に強い抗腫瘍効果が認められたのは、β―(1-3)Dグルカンとβ―(1-6)Dグルカンの二種類で下の表のように菌糸体にはその物質が含まれていません。
 株式会社 大 愛 と大阪市立大学名誉教授三崎旭先生との共同研究の結果、アガリクス茸の成分の中で最も強力な抗腫瘍効果を持つ新物質・AOSA:Anti-Oxidative Substance of Agaricusがあることを発見し、平成11年12月15日京都国際会館・国際会議において発表し特許を出願致しました。(特許平11-355184)その成分AOSAも子実体にならないと発生しません。
子実体の多糖体 菌糸体の多糖体
AOSA
β−(1−3)−D−グルカン
β−(1−6)−D−グルカン蛋白複合体
酸性ヘテログルカン
キシログルカン
ヘテログルカン蛋白複合体
RAN蛋白複合体
糖蛋白(レクチン)、他
β−(1−4)−D−グルカン
グルコマンナン
プロテアーゼ
アミラーゼ
セルロース(繊維質)

Q.協和醗酵グループのアガリクス製品  協和醗酵グループのアガリクス製品と関係があるのでしょうか?

A. もともと株式会社 大 愛 が1991年に協和醗酵グループの(株)シーエスバイオにアガリクス茸原菌および基本的栽培方法についての情報を提供し共同研究の結果、世界初の人工大量施設栽培(原菌はブラジル・サンパウロ郊外のピエダーテ地方原産)に成功しました。現在では協和発酵グループは独自栽培加工をしていますが、当初は全製品が株式会社 大 愛 で製造されていました。

Q.輸入品との違いは アガリクス茸にも値段の高いのから安いのまでいろいろあるみたいです。中国産などは特に安いものがあるようですが効能などに違いはあるのでしょうか?

A. アガリクス茸という名前はマッシュルームの総称でその種類は38種ほどありますが、その中でも最近医学的にも注目され、各機関で研究されているアガリクス茸は【学名:Agaricus blazei Murill(アガリクス・ブラゼイ・ムリル)】一種類だけで、それを通称アガリクス茸と呼んでいる訳です。輸入物の中にはAgaricus campestris、Agaricus crocopeolus、Agaricus nivescens Agaricus placomyces、Agaricus praeclaresquamosu等のアガリクス・ブラゼイ・ムリル以外のアガリクス茸(マッシュルーム)が大量に輸入され安く販売されているケースが多いようです。(乾燥してしまえば全く区別がつきませんのでやっかい物です。)また、原料の産地がわからない加工品(錠剤など)もよく調べる必要があります。ちなみに、スーパーなどでパックに入れられて販売されているマッシュルームは学名上はアガリクス・ビスポラスといいます。

Q.天然物のアガリクスと人工栽培品との違いは? 「ブラジル産のアガリクスの方が成分が良いんじゃないの?」「自然で育った方が・・・」「魚も養殖物より天然物の方が・・・」等の質問があります。

A. 現在は、ブラジル産も日本産も人工栽培です。人工栽培の方法として胞子からの培養と組織からの培養の2種類があります。一般的なのは胞子からの培養で、組織培養をしているところはごく限らた所でしかありません。 組織培養の最大の特徴は親株の性質をそのまま受継ぐことです。判りやすく言えば最近ニュースでも話題になったクローンです。(よく勘違いされますが「遺伝子組換」とは違います。)株式会社 大 愛 では、ブラジルより良質のアガリクス茸(種菌)を数種持ちかえりその株から細胞を取って培養しておりますのでブラジルの良質なアガリクス茸と何ら変わることの無いアガリクス茸が毎日収穫されています。しかも露地栽培とは違い、徹底管理された施設(冷蔵庫のような密閉された部屋)での栽培ですから他種のキノコの菌、病原菌などの混入の心配が無く純度の高い安全なアガリクス茸のみをご提供できるわけです。 一方、胞子からの培養は、人間でも親、子供、孫と世代が変わるにつれ、それぞれの性格も違ってきます。キノコも同じで胞子から胞子へ世代を継げば継ぐほどその性格(成分)が変わる危険性があります。つまり、姿・形はアガリクス茸でも中身(成分)は全く違うキノコになることが現実に起こるわけです。 また露地栽培品の場合、純度の面で心配があります。アガリクス茸の生える環境下には違うキノコも生育する訳で、違うキノコもすべて一緒に収穫されます。収穫の際、それを選別できれば問題ありませんが現実的には不可能です。また、キノコは自己防衛力が非常に強い植物ですので環境に自分の身体をあわせようとします。この場合、環境が変われば突然変異が起こります。環境が一定していれば問題ありませんがそうはいきません。突然変異とは、前に述べたような姿・形はアガリクス茸でも中身(成分)がアガリクス茸では無くなってしまうことです。「天然物の方が良い」というのは間違った知識です。キノコに関してはそれは当てはまりません。むしろ安全性という面から見れば施設栽培のほうが安全なのです。